深き海より、蒼き樹々の呟き

by 深海 蒼樹(ふかみ そうじゅ)

*

僕にとって億劫で憂鬱なこと

      2013/09/11

車

 少し前から、僕を憂鬱にさせていたことが、たった今、一応解決した。
 それは、本当は、憂鬱になるまでもないような、些細なことであるし、どう転んでも期日までにはしなければならないことなので、さっさとやってしまえばいいことだったのだけれど、先延ばし先延ばしをしているうちに、今日になってしまった。
 実を言えば、それは、今日中にすべて完了させることもできたのだけれど、結局のところ、今日もその一部を先延ばししてしまったことになる。

 簡単に言えば、自動車保険の更新手続きである。
 簡単以外に、複雑に言いようもないし、要は、自動車保険の更新手続きをしないといけない時期になっていて、保険会社からも、◯月△日に保険が切れるので更新しますか?次回はどういった契約内容にしますか?という郵便物がとっくに届いていたわけなんだけれど、いつものごとく、居間の棚のどこかへ押し込んでしばらく放置していた。
 そろそろ、自動車保険の更新があることを伝えておかないとマズいと思って、妻にその旨を伝え、手続きに必要なお金も渡されたわけなのだけれど、お金の入った封筒は僕の通勤鞄に入ったまま、かれこれ1週間以上過ぎている。

 僕が契約している保険会社は、自宅から歩いてもいけるところ、車で行けばほんの3分もかからないようなところにある。しかし、僕は億劫でしかたない。多分、自宅と保険会社との距離は関係ない。どんなに近くても、それは、僕にとっては億劫で面倒なのだ。
 しかも、正直に言うと、僕は、意を決して、今日、出勤前にその保険会社に立ち寄って、手続きを済まそうと思っていた。運よく、午後からの出勤で、時間はたっぷりとある。
 と考えていたら、僕は、昨年の手続きのことを思い出した。
 昨年、僕は、事前に更新の意思表示も伝えず、その日に保険会社に赴くことも伝えず、突然、その会社を訪ねた。ずっと10年以上更新を繰り返している会社だし、いつもそうやっていたような気がしたので、僕はそのことに問題があるとは思ってもなかった。この10年の内何回かは、しびれを切らした保険会社から僕宛てに電話がかかってきて、更新をどうするのかと督促をされたような記憶もある。保険の担当者は電話口で、「では、いついつまでに、会社に寄って手続きをしてくださいよ」、と、丁寧ではあるけれど、釘を刺され、念押しされたような気はする。

 そうだ、昨年は、連絡もなしにその会社を訪れると、担当者がたまたま出張で留守にしていて、代わりに応対をしてくれた若い社員があちこちの収納を開いたり、ファイルを開いたり、挙げ句には担当者に電話連絡したりで、その姿を見ている僕は、とてもすまない気持ちになってしまったのだ。
 そのことを、僕は思い出し、今年は事前に電話連絡をしておこうと思ったのだ。僕としては、こういうことに気づき実行できるというのは、50歳を目前にしてまだまだ人間的成長をみせているのだなと、ひとり悦に入ったりもしていた。50歳を目前にした今まで、こんなこともできてこなかったという成長不足については、あえて触れないでおこう。
 そうだ、やはり、事前連絡だ。立場を代えて、僕が保険会社の担当者だったり、社員だったりしても、事前に連絡があることはどんなにありがたいことだろう。もしくは、連絡もなくいきなり来社されて、さぁ、手続きだと言われることが、どれだけ迷惑だろう。いや、迷惑とまでは思わないだろうけれど、事前に電話の1本でも入れてくれればいいのに…、とは、やっぱり思うだろうな。
 しかしながら、自分で思いついたとは言え、電話1本入れておくということが、僕には、とても億劫で面倒で、憂鬱で仕方なかった。

 数日前からの僕の事前計画では、昨日、この電話1本を保険会社に入れるつもりでいた。そして、今日は、出勤前に、その手続きに赴く。
 そういう計画のはずだったし、そうやって計画を決めることで自分を追いつめ、電話を入れなければならない心理的状況を作り出したつもりだったのだけれど、電話を入れるのは明日でもいいか、と、あっさりと逃げてしまった。
 9時、会社の営業時間になるとともに電話を入れて、よければ、昼前にでも手続きに行くと言えばいいのだ。そうすれば、事前計画通りに、今日中に手続き完了となる。電話を入れるのは1日遅れたけれど、手続き自体は予定通り完了する。あとは、証書が郵送されるのを待つだけでいい。

 しかしながら、予定の今日、9時を過ぎた頃、僕は、予定に反して自宅の自室の床で、寝ていた。
 言い訳がましいかもしれないが、決して、自堕落で寝ていたわけではない。早朝のウォーキングを終えて、疲れた体を少しばかし横たえていただけのことだ。しかも、僕は、9時に電話を入れるため、9時には帰ってこれるように計算して、ウォーキングに出かけたのだ。
 そして、僕は、約束の時間が過ぎていくのを感じながらも、少しばかし横たえているだけの体を起こせずにいた。約束と言っても、本当に誰かと交わした約束ではない。僕が僕と交わした約束に過ぎない。だからきっと、その約束を破ったからと言って、誰にも迷惑はかけていないはずだ。

 でも、どうして僕は、こういうことが、億劫で憂鬱で、面倒だと思うんだろう? 昔から、公共料金の振込みなんていうのも、苦手だ。今では、ほとんどのものが銀行口座からの引き落としになっているからいいものの、これが、自分で振込を毎月しなくてはならなかったりしたら、僕はとっくに電気もガスも電話も止められてしまってるかもしれない。

 冒頭に書いたように、少し成長をした僕は、今日、保険会社の担当者に電話を入れた。時間は10時をとっくに過ぎていたけれど、それは多分大した問題ではない。
 前回と同じ契約内容で更新することを伝え、掛け金の確認もした。
 担当者が、「引き落としにされますか?」と尋ねたので、「いや、現金をもって手続きに行きます」と答えた。
 ところが、「今からか今日中に、来られますか?」と、担当者に聞かれた僕は、「明日の午前中に行きたいんだけど」と答えた。
 勿論、今日、僕は手続きに行けるのだけれど、やっぱりなんだかそういうことが苦手で億劫なので、また1日先延ばしにしてしまった。
 ほんとうに、なんだろうね。さっさと手続きに行ってしまえば、この憂鬱も晴れるというのに、先延ばしすることでわざわざ憂鬱な時間までも延ばして、増やしているようなものだ。

 というわけで、明日こそ、自動車保険の手続きを完了するつもりだ。そうすれば、向こう1年間は、憂鬱にならなくてすむ。

 - ひとりごと, 雑感

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