深き海より、蒼き樹々の呟き

by 深海 蒼樹(ふかみ そうじゅ)

*

伊根にある『舟屋日和』(鮨割烹「海宮」)に行って11月解禁の鰤しゃぶを食べてきた話

   

 こんな歳になってものを知らなくて恥ずかしいのだけれど、世の中に鰤しゃぶなる食べ物があることを知ったのは、SNSの友人がたびたび投稿する写真によってだった。その友人は東京在住で、さすが東京には美味しいものがいろいろとあるもんだと感心していた。まさか、自分の行動半径の中に鰤しゃぶがあるとも知らずに。

 「伊根に行って鰤しゃぶを食べて、G20の晩餐にも出された「伊根満開」という日本酒を買ってこよう」
というのが、今回のリクエストであった。まぁ、リクエストというよりは、正直、コマンド(指令)であるんだけれど。

 えっ? 伊根で鰤しゃぶが食べられるの? というのが、このコマンドを受けたときのぼくの反応だ。「伊根」は知っている。そして、「鰤しゃぶ」も知っている。しかし、今までそのふたつのワードが結合して「伊根で鰤しゃぶ」となることはなかった。無知とはおそろしいものだ。(鰤しゃぶの写真を見て美味しそうだと思ったなら、自分の近くでも食べられないのか少しは調べてみろよって話なんだけどね)

 で、指令も出たことだし、美味しい鰤しゃぶのために少しは調べてみることにした。
 とりあえず、伊根がどこにあるかを説明しよう。住所でいうと、京都府与謝郡伊根町、京都の北部にある丹後半島のさらに北東部に位置する。鰤しゃぶについては知らなかったけれど、ぼくも今までに2度ほど訪れたような記憶がある。それは、舟屋という住居形態がユニークで有名だったからだ。高台にある道の駅(舟屋の里伊根)の展望デッキから伊根湾を望むと、まるで家から車が出入りするように舟が出入りする姿が見られる。
 舟屋とは、一階が海に面した舟のガレージで二階が住居だったり物置だったりするもので、そういった家がずらっと伊根湾を囲むように立ち並んでいるのが『伊根の舟屋(群)』と呼ばれるものだ。

 【参考】「海の京都」- 和の源流をめぐる旅 その二 伊根

 

 つぎに、鰤についてである。ぼくが知らなかっただけで、伊根の鰤しゃぶで検索するといくらでもお店が出てくる。そうか、世間の人々はぼくにはひとこともそうとは言わずに、こんなにおいしい鰤しゃぶを味わっていたのか。なんだかくやしいし、損をした気分になる。
 と八つ当たりしても仕方ない。なんせぼくが知らなかっただけで、伊根は日本三大鰤漁場のひとつなのだ。(ちなみに、三大鰤漁場のあとふたつは富山県氷見市と長崎県の五島列島である)
 しかし、なぜ伊根で鰤なのか? そして鰤しゃぶなのか?

 詳しくは、こちらをどうぞ。伊根町内での鰤料理提供店について

 そう、鰤しゃぶは伊根が発祥なのだ。だから、うまいのだ。というか、うまくないはずがないではないか。
 生まれて初めて鰤しゃぶを食べたばかりの鰤しゃぶビギナーに言われても説得力はないかもしれないけれど、とにかくうまかったのだから仕方ない。

 さて、お店の名前は「鮨割烹 海宮(わだつみ)」という。ここが少しややこしい。『舟屋日和』というのは、「鮨割烹 海宮」と「INE CAFE」という飲食施設と祭礼船置き場や案内所、きれいな公共トイレなどを含み公設民営交流施設の総称なのだ。
 オープンは2017年の4月11日。3年目になるようだけれど、3年目とは思えないほどピカピカで今年のオープンと言われてもわからない。

 いたいだのは、鰤しゃぶ。(だから、最初からくどいほど何度も連呼してる)電話で予約をした。当日も平日にもかかわらず予約で満席になっていたので、予約必須だと思われます。
 正式な献立で書くと、
「ぶりのしゃぶしゃぶ(雑炊セットつき)」が、3,300円(税込み)。
「ぶりコース」(「ぶりのしゃぶしゃぶ」に地魚のお造り盛り合わせ、ぶりの寿司、ぶりの焼物&煮物がセット)が、7,700円(税込み)。

 最初は野菜や豆腐を茹でてポン酢で食べる。まぁ、鍋の基本だよね。ただ、気持ちは鰤なのだ。野菜だっておいしいけど、それはそれ、真打ちの登場を心待ちにしながら野菜や豆腐をいただく。

 鰤の切り身がとにかく大きい。貧乏性なので数えてしまったけど、これだけの切り身が12枚。思わずニヤけてしまう。
 刺し身醤油で食べるもよし、もちろん、しゃぶしゃぶしてポン酢で食べるもよし。ただし、しゃぶしゃぶしすぎてはよくない。刺し身で食べたって脂っこくないくらいだから、すこーし生っぽさが残るくらいにしゃぶしゃぶするのが一番うまいと思う。

 店内にはJazzが流れていた。鰤とJazzが合うかどうかは、それぞれで判断してもらおう。ただ、Jazzをかけておけばおしゃれだろうっていう昨今の風潮に首をかしげたくなるぼくとしては、なんだかちょっとそこだけは違うような気がしてしまった。もちろん、鰤のおいしさはどんな音楽が流れていようが微動だにしない。

【追伸】
 駐車場は、徒歩3分の伊根町七面山駐車場(有料)を使うよう案内されている。ぼくらは舟屋日和を見下ろす高台にある「道の駅舟屋の里 伊根」に駐車させてもらった。こちらは100台ほどの駐車が可能だ。ただし、260段ほどの階段を使って上り下りしないといけない。下りは問題ないが、上りはすこしだけ息が切れた。お腹いっぱい食べたせいか、年齢のせいか、日頃の運動不足のせいかはわからないけれど、食後の運動にはちょうどいい。そして、せっかくなのだから、高台から伊根湾全体を見渡してみることをおすすめする。
 もうひとつ、伊根の舟屋群の道は非常に狭くてすれ違うのが困難な箇所もある。どうか立ち往生しないよう気をつけてください。無理して前へ前へとつっこみすぎると引き返すに引き返せないようになります。どうかご安全に、住んでる方々の生活を脅かすことのないよう気をつけましょう。

鮨割烹 海宮(wadatumi)
 営業時間 11:30–(LO.14:00) 17:00–20:30(LO.20:00)*季節により変動あり
 定休日/水曜日
 TEL/0772-32-1710

HP/舟屋日和 カフェ&鮨割烹

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