深き海より、蒼き樹々の呟き

by 深海 蒼樹(ふかみ そうじゅ)

*

とくになにもない日曜日の夜について

   

 タイトルのようにとくにこれといってなにもない日曜日の夜をすごしている。机の上にはちょうど飲み頃になった水出しコーヒーが入ったカップを置き、肩のこらない聞き慣れた音楽を流し、溜まった記事に目を通していたら21時を過ぎていた。
 昨日から右足の調子が悪くて軽い痺れと痛みをともなってはいるものの大して心配はしていない。そのうち日にち薬で治るだろうと高をくくっている。というか、なにをしようが治らないときは治らないし、日が経てば治るときにはストンと治ると経験則で知っている。
 自宅にいない妻はLINEでしきりに医者へ行けというが、残念ながら整形外科に行って治ったためしがない。あまり痛い痛いと言うと自転車をやめろと言われかねないので気をつけよう。

 娘はお盆に帰省しないらしい。お盆はこちらも繁忙期なのでその方が都合がいい。帰ってくると言ってもそんなに長居はしないだろうし、一度や二度食卓を一緒に囲めればいいかなといった感じだ。
 化粧をするようになってから、正直どれが娘の顔だったか心もとない時がある。女性は特に髪型や服装、化粧で印象が変わりすぎるくらい変わるので、駅に迎えに行ったときにも電車から降りてくる自分の娘を見分けられるだろうかと不安になったことがある。
 本人はなんとも思ってないだろうが、風呂上がりの娘のすっぴん顔を見て、「あぁ、確かにこんな顔だった」といつも思う。なんだかなつかしいというか、化粧を覚えるまえの少女のころの顔と重なって「うん、間違いなくうちの子だ」と確信がもてる。

 世間はあいかわらずなんだかんだと騒がしい。いいニュースは少なく、目を覆い耳を疑いたくなるようなニュースばかりが来る日も来る日も流れてくる。

 コーヒーをひとくち飲もう。深呼吸をひとつ。前回がいつだったか思い出せないくらい久しぶりに、とくになにもない夜をすごせている僥倖に感謝しつつ。

 - 日記みたいなもの

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