深き海より、蒼き樹々の呟き

by 深海 蒼樹(ふかみ そうじゅ)

*

第9回おかやまエンデューロに出た話(3)

   

 さて、前回は抜くなら右から抜くという話をくどくどとしたように思う。勝手にルールを作るなという指摘もあろうかと思う。けれど、これだけたくさんの人間が同じサーキットコースを使って走るのだから、ひとつ筋の通ったルールがあっていいと僕は思う。マトリックス・パワータグの安原監督が言うのもそういうことだと解釈している。
 では、つづきです。

 スタートしたらあとはただひたすら周回を重ねるだけです。じゃあ、どう周回を重ねるかって話ではあるんだけれど、最初にしておこうと思うのが、おかやまエンデューロはクリテリウムとはまた違うんだよねってことです。
 どういうことかと言うと、基本、いかに他人を風よけでうまく使えるか、後半に体力を残していけるかってことが重要なんです。時々トレインは形成されるけど、先頭集団以外のトレインはトレインであってトレインでないのです。はっきり言ってしまうと。
 トレインじゃないトレインとは? はい、それは先頭交代しないトレインです。コバンザメを連想した人も多いかもしれないけど、まぁそんなもんです。でもそんなに悪気のあるサメではないのです。もちろん、脚に自信があったり余裕があるなら先頭だってひきますよ。サーキットコースって思ったよりずっと広い。サイコンを見ながらひとりで黙々と漕いでいると、ほんとに人恋しくなります。自分の脚に合うトレインを見つけるといいなんて言うけど、そんなに簡単に都合のいいトレインなんて見つからない。太平洋を漂流しているような気分にさえなる。
 そして、なによりも、ひとりよりふたりの方が頑張れるのです。誰かについていこうと思う方が頑張れる。別に、楽をしようってことばかりじゃないんです。一緒に走ってほしいのです。
 ほかの人がどういう思いや考えでトレインに乗ったり乗られたりしているのかはわからないけれど、トレインに乗ってると楽しいです。特に自然発生的に気がつけば5人くらいのトレインができてたりすると、ニヤついてしまったりする。(基本、日々の練習がソロなんで特にそう感じるのかもしれないけど)
 自然発生的に生まれたトレインは、長続きせずに簡単に解消される。ついていくのが無理だと思えば離れるし(ちぎれるとも言う)、先頭が踏みやめることもあるし、もっとよさそうなトレインを見つけたら節操なくそちらに行くし。コバンザメしてるってよりは、極力みんなで協力できるところは協力して走ろうよって感じです。着順のつくレースなのにそんなのズルい!って人もいるだろうけど、僕はありだと考えています。

 さて、アタック100でいうと80kmを越えたあたりで、足が攣ってきます。お尻が痛くなってきたり、背中が痛くなってきたりもします。仕方ないです。そういうレースです。僕は出場した2回ともピットインなしで走りきりました。ピットインしている余裕なんてないと言った方がいいでしょうか。
 去年は、完全にペキペキきて後半大幅にタレました。完走はしたものの、その後は両足攣りまくりで着替えるのにもひと苦労どころか、トイレの個室からなかなか出てこれなかったです。脚が上がらなくて個室の壁にがんがん頭をぶつけたりしてました。
 今年も、脚が完全になくなった選手がコースアウトして、芝生の上で脚を投げ出して途方に暮れている姿を見ました。たぶん、どうすることもできないんだと思います(他人事のように書きましたが、よくわかります)。今年はそうならないために、いくつか工夫しました。
 そのひとつが、トレインもしくは前の人につくということです。一応書いておくけど、僕のうしろについたからと言って僕は文句は言いません。僕のような貧脚がだれかのお役に立てるなら、僕が踏み台になれるならどうぞ踏んでやってください、って感じです。ほんとに。「袖触れ合うも他生の縁」。協力しあってがんばりましょうってことです。
 お尻の痛みに関しては、適度なダンシングをいれたり、下りで軽くお尻を浮かしたりして血を流してやることです。
 そして、今回気がついたことは、後半になるにつれて脚がなくなってはくるけれど、踏むべきところは踏むということです。踏むべきというよりは、踏めるところは踏むと言い換えた方がいいでしょうか。何周も走っているとスピードに乗れる得意な部分がわかってきます。得意なところは踏めるなら踏むべきです。そこを踏まないとタレまくります。これが、前回と今回の違いでした。

 反省点について。
 今回もフィニッシュがわからなかった。ちなみに、フィニッシュラインはわかるからね。そこまでボケてはいない。けど、これでフィニッシュ?と自信をもてずにゴールしたのは確か。と言うのも、前回のアタック100は実質102km、今回はそれから1周減って27周99.98kmになっていたのだ。なんとなく頭の中に100km越えなくてよかったよなとはインプットされていたけれど、確か去年は100km以上走ったのにおかしくない?なんて不安にもなった。1周減ったことをはっきりと認識したのは走ったあとのことだった。
 いろんなサイコンを使ってる人がいるだろうけど、余分な周回をしなくて済むよう、全力でフィニッシュを迎えられるよう周回の管理はしっかりやっておきましょう。

 それでは、第10回の大会でお会いしましょう。(現在、右膝に水が溜まって故障中のポンコツですが、きっと復活するつもりです)

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