深き海より、蒼き樹々の呟き

by 深海 蒼樹(ふかみ そうじゅ)

*

救命講習に燃えたぜ

   

sosei

 まぁ、タイトルのはしゃぎっぷりからして、僕は、どんな文章なり、どんなブログを目指しているのかが、またしてもわからなくなっている土曜日の朝です。

 昨夜、地元消防団の救命講習という秋季訓練がありました。
 人工呼吸とか、AEDの取り扱いとか、そういうのを教えてもらって、人形を相手に実際にやってみるという講習です。
 仕事が終わった午後8時から、体育館に集まって、2時間。
 せっかくの週末、花の金曜日、ぼやきたくもなるにはなる。

 しかも、その講習は、10人足らずの班に分かれて、みんなが見ている前で、小芝居みたいなことしたり、消防署の救命隊員の人に、『ここは、こうしてください』なんて、間違いを指摘されたり、注意されたりもする。
 近所の人とか、顔見知りの人とは言え、そういう人たちの前で指導を受けたり、簡単な確認試験とか、恥ずかしいし、それなりに緊張もするし、ストレスではある。
 だけど、AEDを触ったこともないより、触ったことがある方が絶対にいいだろうし、もしもAEDの講習を受けてなかったがためにAEDを使うことを躊躇するなんてイヤだから、受けるようにしている。

 ところで、『死』って、一回こっきりのもので、一回死んだらもう戻ってこれないって、知ってる?
 あなたは、そんな当たり前のことを、って、思うだろうか?
 うん、僕も、そう思っていた。自分が、その立場になるまで。自分が、死にかけるまでは、そんな当たり前のこと、わかってるさ、って。
 でも、実際に、自分が死にかけて、わかったことがある。
 一回死んだら終わりだからこそ、『それでも、なんとかなるんだろうな(自分は死なないだろう)」みたいに、勝手に、甘く、見積もってたことを。
 でも、僕は、知った。
 ごくごく当たり前で、単純なことを。
 僕以外の人が、死ぬように、僕も死ぬ。
 それが、明日でも、今日でも、今すぐでも、なんら不思議でもないし、不条理でもない。
 それは、単に、『死』なのだ。そして、だから、それが、『死』なのだ。
 その『死』が、僕の『死』でなければならないような、必然もなにもなく、突然、なんの理由もなく、『死』の方が勝手に、僕に訪れる。ほんとうに、ただ、それだけのことなのだ。
 そして、僕の、人生は終わる。

 1,2,3,4,5………、心肺蘇生法のひとつとしての、胸骨圧迫を繰り返す声が、体育館に響く。
 1セット、30回。
 心臓の上にあたる胸骨を体重をかけて押されて、床に置かれた、上半身だけしかない人形の胸が、上下する。
 講習では、キリのいいところで、「はい、そこまででいいです」という声がかかる。
 しかし、実際の場面では、とにかく、救急隊が駆けつけるまで、ずっとつづけなければならない。
 1セット、30回を繰り返し、繰り返し。もしくは、マウス・ツー・マウスを行わないのであれば、ひたすら、ひたすら、胸骨圧迫を繰り返すしかない。

 もしものその場面、僕は、胸骨圧迫をつづける立場かもしれないし、反対に、床に寝転んだ人形の立場で、胸骨圧迫をしてもらってる立場かもしれない。
 その人は、数百回、もしくは、それ以上の胸骨圧迫をつづけて、息を切らして、自分の腕が痺れて限界だと思いながらも、僕の胸を汗だくになって押しつづけてくれているかもしれない。
 もしくは、汗だけではなく、どうにか蘇生してくれという思いから、涙を流しながら、僕の名を呼びつづけてくれているかもしれない。

 そんなことを、ふと、考えて、人知れず泣きそうになっていた。
 だから、そんなひとりよがりな、こっ恥ずかしい涙に気づかれないためにも、救命講習、燃えたぜ!
 誰かが、僕の命を救おうと頑張ってくれるなら、僕だって、僕に救えるかもしれない命のために、頑張るぜ!
 っていう、単純な話です。

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